『雪がふっている』

 

レミー・シャーリップ 作

青木恵都 訳

装丁・デザイン セキユリヲ

 

11cm×14cm  並製 24ページ

活版(亜鉛凸版)印刷

縫い合わせ製本

スリーブ・ケース入り

定価(1,000円+税)

発行 タムラ堂

 

 

 

   

 

 

 

この小さな本を開くと、何もない真っ白なページ。

最初のページの下の方にこんな一行が。

 

   見てごらん 雪がふっている

 

目をこらすと、白いページの中に、雪の降りしきる風景が…、

そしてページを繰っていくと、北国の暮らしが見えてくるはずです。

絵はありません。白いページだけです。

それにしても、これが絵本? そうです絵本です。空想する絵本。

手のひらに収まる小さな白いページの中で、

心がどこまでもどんどん広がっていく、

そんな喜びを感じさせてくれる特別な「絵本」。

静かな幸福感に満ちた不思議な読書体験です。

 

作者のレミー・シャーリップ(1929~2012)は、

ニューヨーク生まれのアーティストで、

絵本作家としてもたくさんの魅力的な絵本を残しています。

本書は、作者と親交のあった音楽家、ジョン・ケージに

捧げられました。

 

さまざまな映像や音が氾濫している現代生活において、

あたかも<沈黙>を聴くかのように、

<白いページ>を見つめることの大切さと素晴らしさを

気づかせてくれる画期的な絵本です。

 

活版(亜鉛凸版)印刷。柔らかい手触りの本文紙。

手縫い製本。半透明のスリーブ・ケース入り。

真っ白な雪の世界と呼応する繊細で美しい造本です。 

 

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