「妙なるテンポ」の不思議な世界

天才とも鬼才とも評されるロシア生まれのピアニスト、ヴァレリー・アファナシエフ氏は、その独特な美しい奏法で多くの人々を魅了しています。

そのアファナシエフ氏ですが、実は作家として執筆活動も意欲的に行っています。

ピアノの演奏法だけでなく、その著作もユニークです。

音楽エッセイ『天空の沈黙』(未知谷)は、難解ながらも、一度その世界に入り込むと抜けられなくなります。

そして、今回の新作『妙なるテンポ』(未知谷)は、さらに奇妙な味わいの短編集です。

タムラ堂のスタッフでもある田村恵子(青木恵都)が、アファナシエフ氏の不思議な不条理の世界に寄り添うようにして、日本語訳文を紡ぎ出しています。

書店や図書館で、手に取っていただければ幸いです。

なお、今年の2月に出版された絵本『ルイのうちゅうりょこう』エズラ・ジャック・キーツ著(偕成社)の翻訳も手がけています。