「飛ぶ魚」

真鶴の海が一望に見渡せる高台に「飛ぶ魚」というカフェ・ギャラリーがあります。

昨年の11月にオープンしたばかりの素敵なスペースです。

金曜日と土曜日のみ開業ということで、先週の土曜日に行ってきました。

1月は、絵本作家、ささめやゆきさんの絵本原画と版画作品が展示されていて、

さらに、この日には、ささめやさんのトークイベントが催され、大いに楽しんできました。

 

ささめやさんの作品は、谷川晃一さんが「ノスタルジーとセンチメンタリズムが特徴」と

おっしゃっていましたが、確かに、どこか懐かしさが漂っている世界です。

でも、それだけではなさそうです。

ささめやさんがぼそぼそと、ちょっと恥ずかしそうにしゃべるお話は、

何度聞いてもつい引き込まれてしまします。

絵を描くようになったいきさつとか、日本を脱出してパリへ行き、さらにニューヨークへ渡り、

またフランスへ戻り、シェルブールで暮らした話などを聞いていて、

ふと思い出したのは、茂田井武さんの「ton paris」のことでした。

「無垢」という言葉が、それも「したたかな無垢」という言葉が

ぼんやりと浮かんできました。

 

この会では、高校時代の友人のN君に再会することができたのがうれしい偶然でした。

彼は、湯河原で眼科医院を開業しているのですが、奥様が「飛ぶ魚」のオーナーのSさんと

知り合いだったのでした。

狭い世界というか、人のつながりの面白さを改めて感じました。