旅のかけら (フランス パリ 1)

コルマールからTGVでパリにもどり、バスティーユの近くの

アパルトマン形式の宿にチェックイン。

この宿は部屋に台所がついていてとても便利なので、

パリに来るときはよく利用します。

まずは、近くのスーパーマーケットに買い出しに行き、

冷蔵庫をいっぱいにすると、とても満ちたりた気分になります。

朝は、近くのパン屋さんでバゲットやらクロワッサンを買ってきて、

部屋でのんびり朝食。

木曜日と日曜日の午前中は、前の広場で朝市が開かれるので、

ぶらぶら冷やかしながら、果物や野菜を買ったり…。

非日常でありながら日常でもある、そんな不思議な時間を

ゆっくり過ごすことができました。

 

パリでは、何人かの友人に会うつもりでした。

その一人が、レ・トロア・ズルス(フランス語で「3びきのくま」の意)という

小さな出版社をやっているエリザベートです。

彼女とはずいぶん長い付き合いですが、今回は久しぶりの再会でした。

彼女のかわいらしいオフィスを訪ね、再会のあいさつをするやいなや、

「カツミは、大丈夫なのか?」と質問されました。

共通の知人、駒形克己さんのことでした。

そこで、初めて駒形さんが入院されたこと、病状がかなり深刻であることを知りました。

(その後、駒形さんは、危機を脱して、今。治療に専念されています。)

駒形さんには、「夜の木」の出版に際して、いろいろとお世話になりました。

早くお元気になりますように。

 

そして、もうひとつのニュースも悪い知らせでした。

これも共通の知人である、アメリカの絵本作家、レミー・シャーリップさんが

この8月に亡くなったということでした。

以前、レミーさんが来日されたときお会いする機会があり、

日本の編集者たちと一緒に食事をしながらいろいろな話を

伺ったことを思い出しました。

とても優しくチャーミングな方でした。

 

エリザベートは、レミーさんとは親しくしていて、

彼の本も出版していましたので、落ち込んでいました。

僕も、ちょうど、レミーさんの絵本の出版をしたいなあ、と

考えていた矢先でしたので、ショックでした。

 

エリザベートは、「夜の木」の日本語版のことをとても喜んでくれました。

この絵本のフランス語版は出ておらず、英語版が売られていました。

エリザベートもスタッフの若い女性たちもみんなこの絵本が

大好きとのことでしたので、日本語版を1冊プレゼントしました。