夏休みの読書

夏休みらしい本を読もうと思い、

本棚の奥から引っ張り出したのが「二年間の休暇」です。

福音館書店の古典シリーズの第一冊目です。

この本は、一般的には「十五少年漂流記」というタイトルで

知られています。

福音館版は完訳です。だから厚くて、ずっしり重いのです。

わくわくしながら読みました。

 

海からはずっと遠い町で育ったためか、幼いころから

海への憧れが、とくに南の海への思いが強かったようです。

ひたすら海洋冒険物語を読み漁った記憶がよみがえりました。

映画でも漫画でも、 南洋とか珊瑚礁という言葉にすぐ反応してしまう少年でした。

 

でも、この「二年間の休暇」は、

いわゆる南海冒険物語とはちょっとちがいます。

無人島に漂着してからの、少年たちの生活ぶり、

生き延びるための工夫や冒険が 、実に丁寧に描かれています。

また、島の地形やら動植物が、フィクションとは思えないほど詳細に

描写されています。 そして、少年たちの人間関係も。

 

後半の展開は、読み進むうちに、 ああそうだったと思い出しました。

記憶というのは 相変わらず曖昧なものです。

 

少年たちがずいぶんと賢く、立派ですが、作者のベルヌは

彼の考える少年の理想像を描こうとしたのだとすると

まあ納得がいきます。

 

読み終わって、昼寝をして。夏休みです。

 

ボブ・マーリーを聴きながら。